最終更新: 2023年3月24日

ベラジョンカジノで遊ぶのは違法

みなさんにとって「オンラインカジノ」ってどんなイメージですか?

「闇カジノ」や「バカラ賭博」を警察が摘発するニュースなどから、違法な存在という認識の人も多いのではないでしょうか?

この記事では、多くの日本人が利用するオンラインカジノの大御所「ベラジョンカジノ」を例に、日本国内でオンラインカジノを利用することの法的な意味をファクトベースで解説していきます。

 

ベラジョンカジノの違法性について考えよう

ベラジョンカジノの違法性をチェック

ベラジョン(Vera & John)は、日本で人気ナンバーワンの老舗オンラインカジノです。

どこよりも早く最新ゲームがリリースされたり、ベラジョン限定のゲーム、ユニークなイベント、スペシャルボーナスなどが

盛りだくさんなのが嬉しいですよね!

 

そうはいっても、そもそも日本には賭博罪(とばくざい:ギャンブルを禁止する罰則)があるので、ベラジョンが日本人向けにサービスを提供していることも、サイトを利用してカジノゲームで遊ぶことも、どちらも違法性があるように見えますが、本当のところはどうなんでしょうか?

 

ベラジョンが違法にあたらない3つの理由

ベラジョンが違法にあたらない3つの可能性

まずは結論、ベラジョンカジノ(およびオンラインカジノ)でギャンブルをすることが有罪とならない理由からザックリ解説していきます!

 

▶︎ 理由その1|過去の起訴・不起訴の事例

2016年に日本で初めてオンラインカジノ利用者が逮捕されたものの、不起訴処分となった判例があります。

これが現在、オンラインカジノユーザーが刑法第185条の単純賭博罪(= 賭博罪)として逮捕・起訴されない根拠となっています(詳細は「ベラジョンで遊んで逮捕される可能性は?」にて後述)。

この不起訴処分の弁護を担当した津田岳宏弁護士は、検察庁へ提出した意見書の中で次のように主張されています。

”賭博行為について,刑事責任のメインは開張者(胴元)が負うのであり,賭博者(客)が負う責任はある意味で付随的である。賭博犯の捜査は胴元の検挙を目的におこなうものであり,「賭博事犯の捜査実務」にもその旨記載がある。”

 

▶︎ 理由その2|ベラジョンは海外のカジノと同じ

通常、海外で日本人が殺人などの刑事事件を起こすと「国外犯」として日本の刑法を適用できます。

しかし、ベラジョンはカジノが合法な地域に登記する海外法人で、海外のサーバーを使って運営していることから「海外のカジノ」としてみなされます。

このことから、ベラジョンは日本の刑法第186条の賭博場開張等図利(とばくかいちょうとうとり)罪に該当しません(詳細は後述)。

 

💡 国内でオンラインカジノを経営した場合は違法

ドリームカジノ

2016年6月10日、京都府警はオンラインカジノサイトを運営して客と賭博したとして、常習賭博容疑で実質運営者5人を逮捕したと発表。

逮捕容疑は、大阪市に事務所を設け、オンラインカジノ「ドリームカジノ」を運営し、サイト上で複数回にわたり不特定多数の客を相手に賭博をしたとしている。

無店舗型オンラインカジノの運営者が逮捕されるのは全国初という。

 

▶︎ 理由その3|ゲーミングライセンスは信頼の証

オンラインカジノ運営事業者は、日本のようにギャンブルを違法とする国では法人登記できません。

そのため、ギャンブルが合法な国や地域に登記し、その登記住所を所管する当局からゲーミングライセンス(カジノの営業許可)を取得することでオンラインカジノを経営できます。

特に、オンライン上で国際的にカジノのサービスを提供するベラジョンなどの場合、国際的なゲーミングライセンスの保持が必要となります(キュラソー、マルタ、ジブラルタルなどのライセンス)。

 

【ベラジョンのライセンス情報】

会社名 Breckenridge Curacao B.V.

登記 キュラソー州政府(オランダ領)

ライセンス #8048/JAZ2021-180(Antillephone|サブライセンス)

ベラジョンをはじめ、オンラインカジノのページ最下段にライセンス情報が掲載されています。

アイコンをタップしてこのような証明書が表示されれば、正しくライセンスを取得している証拠です。

ベラジョンカジノのライセンス

 

【ライセンスは信頼性の証】

ライセンスを保持するオンラインカジノ運営事業者は、定期的に第三者機関(独立監査法人)による世界水準の認定検査を受けることが義務付けられています。

💡 おもな監査内容

  • ゲームに不正な設定がないかの検証(乱数発生器など)
  • マネーロンダリングの疑いのある会計、またはコンプライアンスの検証
  • サイトのセキュリティ
  • 責任あるゲームプレイの実施状況(プレイヤーをギャンブル依存症から保護する取り組み)など

 

各種検証の評価認定の結果に問題がなければ、引き続きライセンスを保持することができます。

長年、オンラインカジノを運営しつづけてきたベラジョンには高い信頼性が裏打ちされていることがわかります!

 

ベラジョンへ入金する違法性

ベラジョンへ入金する違法性

ベラジョン(およびオンラインカジノ)へ入金することを取り締まる法律はなく、違法にはあたりません。

 

ベラジョンから出金する違法性

ベラジョンから出金する違法性

ベラジョン(およびオンラインカジノ)から出金することを取り締まる法律はなく、違法にはあたりません。

ただし、出金額などの条件によっては確定申告が必要となる場合があります。

うっかり所得の申告をしそびれてしまうと義務の不履行とみなされて、加算税・延滞税などが課されるので注意しましょう!

 

ベラジョンを利用すると逮捕・起訴される?

ベラジョンを利用すると逮捕・起訴される

現在、どんな法律がギャンブルを取り締まる根拠となっていて、どんな行為が逮捕や起訴にいたったのかを過去の事例などから丁寧にみていきましょう!

 

▶︎ 法律からオンラインカジノの位置付けを理解しよう

まず、刑法の条文を見てみましょう。

実は、ギャンブルを取り締まる法的根拠はこの3つだけなんですね!

  • 単純賭博罪(刑法第185条)
  • 常習賭博罪(刑法第186条第1項)
  • 賭博場開帳図利罪(刑法第186条第2項)

(賭博)

第百八十五条

賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭

けたにとどまるときは、この限りでない。

(常習賭博及び賭博場開張等図利)

第百八十六条

  1. 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
  2. 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処す

る。

※ 組織的に賭場を開帳してバカラ賭博を行ったことで「組織犯罪処罰法」が適用されたケースもあります(平16 (う) 510号|

平成17年1月20日 大阪高裁)。

 

【そもそも法律上の賭博とは?】

法律上、賭博(ギャンブル)とは、”2人以上の者が、偶然の勝敗により財物(お金など)や財産上の利益の得喪を争う行為” と定義されています。

つまり、胴元とプレイヤーのように「2人以上の者」が、ランダムに出現する未来の結果にお金などを賭けて勝敗を決めることをいうため、オンラインカジノを利用することは現行の法律で十分に賭博として定義できるんです。

 

💡公営ギャンブルとパチンコ店

日本には宝くじ、競馬、競艇、競輪、オートレース、お年玉付き年賀はがきなど、ギャンブルに相当するものがそれぞれの法律によって認められています。

パチンコ店は風営法の「遊技場営業者の禁止行為」に定める “現金又は有価証券を賞品として提供すること” に反しない、通称「3店方式」をとることで違法性を排除しています。

 

▶︎ 不起訴処分の判例からギャンブルと法律を考えよう

2016年(平成28年)3月10日、京都府警は、自宅のパソコンから日本人ディーラーの勤めるオンラインカジノのライブカジノに金をかけた容疑で男性3人を逮捕しました。

京都府警は、国内で日本人向けにカジノが開かれて、賭博行為がおこなわれていると判断したため逮捕に踏み切ったそうです(この逮捕事案は、これに先立つ2016年2月中旬、千葉県警がオンラインカジノの決済代行業社のNetBanqを摘発した際にプレイヤー名簿を押収したことから逮捕につながりました)。

このうち、2人は略式命令(罰金刑)、残りの1人は不起訴処分となりました。

 

略式命令

簡易裁判所が、被疑者の同意のもとで簡易な手続で発せられる命令。

前科がつきます。

裁判所が有罪と判断するに足りる証拠があることが前提で発せられます。

 

不起訴処分

検察官が容疑者を刑事裁判にかけても裁判所に有罪と認められない可能性が高いことから起訴を取り下げること。前科はつかない。

 

【賭博罪の本音と建前】

不起訴処分となった人の弁護を担当した津田岳宏弁護士は、自身のブログで、検察庁へ提出した意見書の内容の一部を次のように公開しています。

”本件の特徴は,当該賭博行為につき,海外で合法的なライセンスを得ている一方当事者である胴元を処罰することはできないところ,他方当事者であるユーザーを処罰しようとする点にある。

(中略)

賭博場開張図利罪と単純賭博罪の軽重は雲泥の差である。

賭博行為について,刑事責任のメインは開張者(胴元)が負うのであり,賭博者(客)が負う責任はある意味で付随的である。

賭博犯の捜査は胴元の検挙を目的におこなうものであり,「賭博事犯の捜査実務」にもその旨記載がある。

(中略)

以上を踏まえたとき,本件は,主たる地位にある一方当事者を処罰することができないにもかかわらず,これに従属する地位にある当事者を処罰することができるのか,という点が真の論点となる。”

結果、津田弁護士に弁護を依頼した容疑者は不起訴となりました。この事実が意味することは、胴元(オンラインカジノ運営事業者)の検挙を目的としない賭博罪の立件はこれからも不起訴処分となる可能性がか

なり高いということです。

ちなみに、「賭博事犯の捜査実務」の著者は現役(出版当時)の検察官で、賭博捜査の専門知識について触れながら、賭博罪の違法性は「程度の問題」だと明言しているとても貴重な書籍だそうです。

 

【この事件のポイント】

略式命令と不起訴処分では判例が真逆なので戸惑いますが、この事件から次のような判例が生まれました。

  • オンラインカジノの利用が単純賭博罪として成立した(略式命令)
  • 胴元の検挙を目的としない単純賭博罪の起訴は不当(不起訴処分)

この事件が画期的な理由は、上のように法律の本音と建前が露骨に表面化したところにあります。

よって、オンラインカジノの利用は「賭博罪」になりますが、検察がユーザーを有罪にできる可能性は別問題だということが理解できました。

 

まとめ|ベラジョンの違法性について

ベラジョンの違法性について

オンラインカジノを利用することは海外のカジノで遊ぶことと同義とか、法律に定義されていない形態のギャンブルなので違法ではないとする誤った解釈をよく見かけます。

この誤った解釈を逆手にとって、警察庁や法律の専門家の方々がそれぞれのHPなどで「オンラインカジノの利用は賭博行為」という主張を展開しています。

しかし、彼らは2016年の不起訴処分の判例により警察・検察がオンラインカジノユーザーを逮捕・起訴しにくくなったことには言及していません。

それは彼らにとって分が悪いからというより、オンラインカジノに対する社会情勢の変化や裁判官によっても新しい判例が更新されるかもしれないし、なにより一部のユーザーが課金ゲームと同様の感覚でカジノゲームにのめり込んで深刻化したケースが存在するため、市民生活を保安する立場から警鐘を鳴らしているのです。

くれぐれもエンターテイメントとして節度あるカジノゲームの利用を心がけましょう。

公開済み: 2023年2月21日

山口 秀樹 コンテンツライター

1983年に大阪で生まれ、高校卒業後にイギリスでビジネスを学びました。オンラインカジノやカジノゲームに関する有益な情報を提供することに専念しています。ギャンブル業界で働きながら、多くのオンラインカジノを試してレビューし、プレイ経験を活かして、ユーザーがカジノゲーム(特にスロットゲーム)、ギャンブル戦略、スポーツベッティングなどに関する関連情報を得られるよう支援しています。